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昼間の月
臆病なわたしと似てる
目先のことしか考えに及ばない
殊のほか刹那的な
蜻蛉のような
消え入る瞬間を
密かに待ちながら
それでいて
何処かで助けを乞う
寂しげなその薄明かり
静かに指切りした約束
決して忘れない
嘘のないあなたといると
優しい気持ちになれる
だから
全部を受け止め
全部を受け入れ
その傷ついた翼を包み込みたい
可能な限り両手を拡げて
あなたが奏でる
ピアノの旋律に合わせて
溢れる想い
解き放たれる
心地好い時間
麗しい時間
あなたが時折見せる
微笑みが相まって
哀しいフリ
辛いフリ
違うよね
本当に哀しくて辛いのに
心の無い慰めなんていらない
耳障りなだけなんて
噛み付くのはやめて
強がるのはやめて
真っ新な
心からの癒しを
君に
あげたいから
立ち竦む
貴方がくれた優しい言葉
貴方の本当が
垣間見えた瞬間
周りの景色さえ
霞んで
もう
貴方しか見えなくなった
君がいなくなるなんて
考えもしなかったから
心の中が散らかって
片付かない
君の手に触れることが出来ないから
心が凍えてしまう
素知らぬ顔で行き交う人の波
否応なく吹き付ける冷たい風
悪戯に輝くイルミネーション
全てが僕を煽りたてる
もう
歩くことさえ
億劫なのに
心を落としてきたと
君は言うけれど
私には
君の心が見えている
温かいものが満ちているのに
行き場を失った心
そんな哀しい瞳はやめて
君の心は此処にあるから
私の傍にちゃんとあるから
ねぇ
誰が伝えて
私は大丈夫
必要とされた
心和むと言ってくれた
それだけで充分
瞬く間に過ぎた時間
忘れない
決して忘れない
どんなに叫んでも
宙を舞う言葉
どんなに頑張っても
届かない想い
拾い集めても
いつまでも終わらない
ジグソーパズルみたいに
空いた穴は塞がらない
あなたといる刹那
瞬く時間
何気ない仕草も
逃しはしない
あなたを感じていられるならば
刹那でも構わない
余すことなくあなたの
香りを纏うから